ジャータカ物語の絵本を描いているときに編集者のMさんに出会って、仏教の話から、死者も生者も森羅万象まじりあって盆踊りをする絵本を作りたいですねという話になった。
最初に作ったラフは、うちにいた老猫のお世話をしながら描いた。老猫は身体を動かすことも辛そうで、ずっと寝てばかりだったので、もうすぐ「そのとき」が来るのかなという覚悟と、まだ一緒にいたい気持ちと、お世話の大変さのなかで、気持ちが行ったり来たりした。ラフは寂しいお話になってしまった。
Mさんはなんとか方向転換させようとしてくれたけど、うまくいかなかった。
冬の寒い日に、老猫をみおくった。
年が明けてだんだん気持ちが落ち着いて、あの世の猫と会える明るく楽しいお盆を目指すことにした。