田園風景に囲まれて生活していると
畑の端っこに黒いビニール袋が吊り下げられているのに気づきます。
気にしてみていると、ボロボロのビニール袋だったり、
黒い羽だったり、カラスの人形だったり・・・。
ごくたまに本物のカラスさんの亡骸を吊り下げている畑もあって
横を通るときは思わず「ナンマンダブナンマンダブ・・・」
と唱えてしまいます。
最初は酷いことする農家があるなあと思っていたけれど
作物をカラスから守るため
農家にとっては大事な防御策なんだろうなあと思うようになりました。
キャベツ畑でおばあさんが
モンシロチョウをいっぱい捕まえているのを見て
ギョッとしたこともあります。
のどかさだけでない田舎の風景です。
けれどこのごろは、人間と虫と鳥とが自然の中で
同等に生存競争をしているような気がしています。
少なくともカラスやチョウチョの生き死にと関わることもなく
涼しい店内でお金を出せば
多くの無農薬野菜を手に入れることができる生活より
リアルな人間と自然の関わり方なんだろうなあと
ビリーホリデイの『奇妙な果実』のようにぶら下がっている
たくさんの黒いビニールと
周りで田んぼを啄んでいるカラスたちを見て思ったりしてます。
ちょっと暗い話だったかな・・・・・・。